駆け引きと密約 かけひきとみつやく


ゆっくり光が出始め
紺色の夜空から星が姿を消し
月よりも明るい光を放ち空を白く染め上げ
ゆっくりと姿を見せる頃には空は薄い水色と白い雲が見え
1日が始まる。

闇から光をもたらす太陽は朝日と呼ばれる

机に伏し、目を閉じ暗闇に意識を任せたものの
眠りはまったく訪れず
ただ闇の中を意識が彷徨っていると
太陽が体を照らしているのか、暖かさを感じ
顔を挙げ窓の外を見ると
朝日が出、海や建物を照らしていた。

「もう、朝なんだ・・・・」

小さな呟きは空気の中に消え
置かれていたマグカップを手に取り、
昨夜作ったホットミルクの残りでノドを潤し
今日のスケジュールを思い浮かべる。

今日は、モルゲンレーテに行って
お兄ちゃんから技術提供を受けて
『アストレイト』の動きを良くして貰うんだっけ・・・

キラと会う時は自分はトモエ・ユラ・アスハではなく
・ヤマトとして会う。

トモエは極秘の存在
誰にも存在を知られては行けない人物

なんだかもトモエも自分なのに自分じゃないみたいだな・・・
演技をして居る訳でもないし・・・ 

2つも名前があるのに体は1つ

』も『トモエ』も大事な名前

どんな思いを込めて付けてくれた名前なんだろう?
お兄ちゃんやあっちゃんは凄く嬉しそうに名付けてくれたけど
やっぱり願いや思いを込められているんだよね・・・
その願いに私は答えられているのかなぁ・・・

冷たいミルクを飲み干し
何か暖かいモノを飲む為、席を立ちキッチンへと入り
即席モノでスープを作り
リビングに戻ってくると席に座りTVを付け
動く画面とゆっくりとした声を聞きながら、
ゆっくり冷ましながら飲んでいく。

目に入ってくる画像は
昨日の連合・ザフトの戦闘を映し出し
政府の取った行動に説明をしながらアナウンサーが
文章を読み上げ、昨日の出来事は現実であった事を告げている。

カラになったマグカップを置き
自室に戻り着替え、身支度を整えると
来客を告げる機械音が鳴り、対応すると

です、おはようございます。
 時間ですので下りて来て頂けますか」

フッと壁に掛かっている時計を見ると
帰り際に告げられた時間になっており

今から行きます。

簡潔に返すと、書類等が入っているカバンを手に持ち
外へ向かうと、乗りなれた黒いとの高級車に乗り込み
車内での会話が始まった。

「お早うございます。
 昨日は寝れなかったようですね」

「はい、なんだか寝付けなくて・・・」

「睡眠はしっかり取って下さい。
 と、申したはずですが」

「すみません」

「まぁ、初めての公務だったのですから
 何かと気分が高まってしまったのでしょう。
 それでは、今日の公務ですが・・・」

聞えてきた言葉に驚き聞き直す

「え?
 私がアークエンジェルに志願兵を迎えに行くのですか?」

「そうです」

頷き、一言で固定の言葉を返すが慌ててが言葉を作った。

「待ってください!
 志願兵の中には私が兄として一緒に過ごした
 『キラ・ヤマト』が居るのですよ?」

「昨夜遅くにラミアス艦長殿から電通が来まして
 キラ・ヤマトは面会を断ったそうです」

「断った?
 本当にお兄・・・いえ、キラ・ヤマトがそう言ったのですか?」

慣れ親しんだ呼び名を言いかけるが慌てて言い直し
目の前に座っているに聞き返すが

「ラミアス艦長殿からソウ電通がありました。
 と申した筈ですが・・・」

キラ本人からではなく上司であるラミアスからの電通な為
言った言わないはラミアスに確認しなければ解らないと
言われ、

「解りました。
 では、0800にアークエンジェルに向かいます」

の言葉に納得しなければならず
聞きたければラミアスに聞けば言いと考え直すと
確認を意味を込め昨日の自分の言葉を復唱で返すと

「モルゲンレーテには志願兵を家族に合わしてから
 向かって頂きます。
 その時は服装に気をつけて下さい」

軍服ではなく作業服で行く様にと注意を受け
建物内へ入り、私服から軍服に着替えを連れ
自分専用の部屋に入り席に付くと、すぐさま資料を渡され
目を通す。

志願兵の名前・性別・家族構成・軍人としての経歴
必要な事は全て書かれており、その中に兄と慕っていた
キラを見付け、再び現実を叩き付けられため息を付きかけるも、
の存在を思い出し、体の奥底に隠し
全てに目を問うした事を告げると、ホムラとウズミの挨拶の為
席を立ち、首長達の集まる部屋へと向かい
敬礼し入室をすると

「今日も頼むぞ」

ウズミの言葉に返事を返し
ホムラに視線を送ると、視線を返され

「では、これよりアークエンジェルに向かい
 志願兵を連れてまいります」

再び敬礼をし部屋を出、アークエンジェルへと向かう中
父であるホムラの視線の意味を考えた。

挨拶だったのだろうか?
それとも確認だけの視線だったのか
あるいは自分を労う視線か

それとも全ての意味を込められた視線か

考えながら長い廊下を歩いた。

同時刻

アークエンジェルのブリッチ・格倉庫では
の事で話に花を咲かせていた。

「いやぁ、もしかするとキラも小さなお姫様に会えるかもよ?」

「なんですか?
 その小さなお姫様て?」

青と赤・白で塗装されたGAT−X105ストライクの前に立ち
話しかけられた人物に振り返り疑問を返すと

「昨日さ、ウズミ前首長代表と一緒に来たんだけど
 子供でさ、たぶん12〜4てとこかな
 トモエて名前なんだけど軍服着てるんだよ」

連合の制服に身を包むが、袖を折り曲げ
着崩し着用しているフラガの言葉に

「12〜14歳て
 僕達より小さな子供が軍服を着ていたんですか?」

フラガの言葉に戸惑い返すが
相手はキラの戸惑いを気にしないのか

「おぉ、昨日2回も来てたぞ。
 しっかりしてるがやっぱり子供だな」

自分なりの感想を言うと
フラガの話を聞いていたマードックが話しに加わり
会話が続いていたが、キラは黙り

は無事オーブに付いたんだろうか・・・
ポットにいたカガリが地球に居たのだからもこのオーブに居るはず・・・
会えれば会いたいけど、今の僕を見てどう思うだろう・・・
もう、笑いかけてくれず軽蔑するかもしれない・・・

会いたい人物に思いを馳せていると
騒がしさに意識を戻すと、モルゲンレーテからの作業が始まるとの事で
ストライクに乗り込み、指示されるまま動かしアークエンジェルを離れた。

そして、ブリッチにもの話で出ていた。

「しっかし、オーブは何を考えているのかねぇ
 ウズミ前首長代表の娘は砂漠で戦っていて、子供に軍服を着せ
 公務をさせるなんて本当に変わった国だよな」

CICに居るチャンドラの言葉は無線で
ブリッチにいるクルーに伝わる

「案内したけど、どう見ても12歳か13歳。
 良くて14歳だと思う。声も子供だったし」

唯一この場に居るクルーのに会ったトノムラが
感想を言うと

「次期首長代表候補なんだろ?
 だったら勉強を兼ねているのかもな」

メインパイロット席に座っているノイマンの言葉に

「勉強て・・・俺達ナメられてるのかよ・・・」

ため息交じりに呟くパル言葉に、
それぞれがそれぞれの反応を出していると
席を外していたナタルが帰り、張り詰めた空気が流れる中
マリューが挨拶をしながらブリッチに入ってくると
更に張り詰めた空気になるが、

「では、私はオーブの迎えに行ってまいります」

マリューに敬礼しブリッチを後にすると
一気に張り詰めた空気が解け、
すぐさま浮かれ気味のオーブ出身の志願兵達がくると
一気に華やかな雰囲気になり
嬉しがっている姿にマリューは目を細め柔らかな視線を送っていると
ドアが開くエアー音に視線を送ると
先程出て行ったナタルが姿が見え
後ろには昨日会った白の軍服が目に入り慌てて立ち上がり敬礼すると
パイロット席に座っていたノイマンも立ち上がり敬礼をした。

ブリッチに入るナタルに小さな身長が存在を隠してしまい
気付かれないかも
そんな事を考えていると、目の前にいたナタルは1段低い所におり
同じ高さにいるマリュー敬礼をして出迎えてくれ

「お早うございます。トモエ様」

引き締まった表情で挨拶をされ

「おはようございます、ラミアス艦長」

も敬礼し挨拶を返し、視線で初め会う人物を見ると
同じ様に敬礼をしていた。

ゆっくりと敬礼を解き

「では、昨日申しました通りオーブからの志願兵を迎えに参りました。
 お揃いでしょうか?」

ゆっくりと確実に言葉を作り告げると

「はい、こちらに」

手で存在を示された人物達は驚きながらを見

「貴方達、トモエ様に失礼ですよ」

上に立つものとして注意をするが
自分も味わった驚きにやはりと心の中で苦笑していると

「カズイ・バスカーク2等兵
 サイ・アーガイル2等兵
 トール・ケーニヒ2等兵
 ミリアリア・ハウ2等兵
 計4名で宜しかったですか?」

一人一人名を読み上げ人数確認され

「はい、この4名です」

問われた事に返事をするが

「キラ・ヤマト少尉
 フレイ・アルスター2等兵の
 面会拒否の理由はなんでしょうか?」

「キラ・ヤマト少尉は
 今は会いたくない、との事です。
 フレイ・アルスター2等兵は・・・・」

の言葉に返せないで居ると
ナタルの眉が寄り、キツイ視線を送るのを見

「解りました。
 言えない理由もあるでしょう。
 バジルール中尉もそれで宜しいでしょうか?」

いまだにキツイ視線を送っているナタルに
やんわりと言葉を送るがマリュー変わって
キツイ視線を受け
内心、どうして私が睨まれるの!?
と、思うにも
ココで負けてなるものか!
そんな思いも出始め

「何か言いたい事があるみたいですね。
 遠慮はいりません、言って下さい。
 バジルール中尉」

先程変わらない声で言うと
すぐさま反応が返ってきた。

「でも、お言葉に甘え言わせて頂きます。
 私はヤマト少佐の件は反対です。
 アレは最重要機密です」

ハッキリとした声の言葉に

「最重要機密ですか・・・
 それは構造・OSが機密なんですか?」

考え込む様に、ゆっくりと言葉を返す
と、

「全てであります!」

怒鳴る様な大きな声で帰ってくるが

「では、お聞きします。
 今、ココにあるGAT−X 105ストライク
 そしてザフトが使用している
 GAT−X 303 イージス
 GAT−X 207 ブリッツ
 GAT−X 102 デュエル
 GAT−X 103 バスター
 は、ドコで作られたかご存知ですよね?」

の言葉に何かに気が付いたナタルと
話を聞いていたマリュー、ノイマン
そしてCICにいたメンバーも同じ様に気が付き
顔を見合わせるが
の言葉は続いた。

「このモルゲンレーテです。
 構造・OS全てのデーターがあります。
 もちろん、このアークエンジェルもです。
 それとも最重要機密とおっしゃる事は
 パイロットの事ですか?
 それともコーディネイターが組み立てたOSですか?」

反論できないでいるナタルの見ながら
視界の端で驚きの表情をしているマリューを捕らえ
再びが口を開いた。

「確かに連合軍にコーディネーターが居るという事を
 隠しておきたいかも知れません。
 ですが、ここは中立国オーブです。
 ナチュラルもコーディナーターも関係ありません。
 色々な理由があり、いる方なのでしょう・・・
 バジルール中尉がその方をご心配する気持ちも解ります。
 私達はその方に危害を加える様な事は致しません。
 バジルール中尉のご心配される優しさしかと受け取りました。
 モルゲンレーテにも注意するよう言っておきます。」

すまなさそうな表情で謝りを入れるに対し

「いえ、こちらこそ失礼いたしました」

敬礼し言葉をかえすナタルに

「いえ、最初に私が遠慮はいらないと言ったのです。
 バジルール中尉が誤る事はありません」

苦笑して返すし

「いえ、
 お時間をとらせてしまい申し訳ありませんでした」

「では、トモエ様、志願兵の事をお願い致します」

ナタルの言葉が言い終わるとすぐさまマリューが
トモエに退艦を促す。

「では、少しの間お借りします。
 付いてきて頂けますか?」

促されるまま、志願兵を連れ
アークエンジェルを出、用意した1室の前まで来ると

「お分かりの事と思いますが、この部屋に貴方方のご両親が見えます。
 ゆっくりとも言えぬ時間ですが、積もる話などして過ごして下さい。
 ですが、約束は守って頂きます。
 貴方方も志願兵ですがもう軍人です、軍の法はご存知ですね?」

視線をキツクし4人を見ていると頷かれ

「折角の喜びに水を差すような事を言いましたが
 この、約束は守って下さい」
 
再び警告を出し

「私はココで離れます。
 貴方方でドアを開け入っていって下さい。」

折角の対面です。軍の人間は居ない方がいいでしょう?

少し、頬を緩めると

「ありがとうございます!」

頭を下げられ、頭を上げるのを見ると
歩いてきた廊下を歩き、喜びの上がる声を聞きながら
報告をしにウズミの元を訪れ、
モルゲンレーテへと向かう為、自室に向かいと会うと

「モルゲンレーテの仕事が終わりましたら
 帰って頂いて結構ですよ」

「いいんですか?」

の報告を聞く前に、が言葉を言うと
戸惑いながら返事が返ってきた。

「結構です。明日、今日と同じ時間に迎えに行きますので
 寝坊などなさいません様に」

「はい!解りました」

喜びの声で返事を返すと
軍服を抜き捨て私服に着替え、の横を駆けて行った。

「だからと言ってあからさまに喜ばれると困るのですが・・・」

呆れたの声はには届かなかった。

全速力走り、IDを通し中へと入り
着替えをし、歩いている人を避けながら、
アストレイトを動かしている試験場への扉の前に着き
荒れた呼吸を出来るだけ整え、中へ入って行くと
シモンズ主任とカガリの間に立っている、茶色い髪を持つ少年を見つけ
振り向いてもらう為に、声をかけた。

「シモンズ主任!
 遅れてしまってスミマセン」

かけた声にガラス越しからアストレトを見ていた3人が
を見ると
真ん中にいた少年が目を大きく見開き驚いている中
は無言で近づく

「あ・・・?」

戸惑い、声を震わせ名前を聞かれると

「お兄ちゃんだよね?
 キラお兄ちゃんだよね?」

速度を速めキラに近づくと
キラも確かめるために近づき
ある一定の距離を取るともキラも立ち止まる。

沈黙が訪れる中
震えるキラの腕がゆっくりと上がり
の頬に触れると

「本当になんだね?」

「本物だよ。
 キラお兄ちゃん!」

撫ぜられ、名前を呼ばれると
は我慢出来なくなり抱きつき
キラを見上げながら自分の存在をしめすと
腕はしっかりとの背中に回り抱きしめていた。

数分抱きしめ合っていると

「そろそろ、話がしたんだけど良いかしら?」

シモンズの声で慌てて離れ
ガラス近くまで行くと
キラに技術協力の本題に入っていった。
そんな時

「今使っているOSは私が作ったモノなんだけど
 アレ以上早くならないの」

が言葉を挟み
キラとカガリを驚かせるが
シモンズの話が続き、が作ったOSを見せる為
キラをの隣の席に座らせ作業をさせた。

そんな中、シモンズ目を盗み

「お兄ちゃん」

「どうしたの。なにかあった?」

が映し出している画面を見るが

「今夜ヒマ?抜け出せる?」

の言葉を聴き急いで顔を挙げ
言葉を作ろうと口を形作るが
が慌てて口元に人差し指を立て
静かにと注意をするとキラは頷き

「どうして?」

「せっかく合えたから色々話したいの
 ダメかなぁ?」

見上げられ、告げられる言葉に

「う〜ん・・・
 頑張ってみるよ」

の視線に考え込むが是と返すと
待ち合わせ場所と時間を決める話に進んでゆく中

「聞えていると何故気が付かないんだ?
 あの2人は」

呆れ顔のカガリに

「自分達に必死で周りが見えていないんですよ」

「秘密事ならもっと声を抑えた方がいいと私は思うがな」

いつの間にか、普通の声になっている事に気が付かず
話している2人を見ながらシモンズとカガリが見ているが

「仕方が無い、なんとかしてやるか・・・」

ため息交じりのカガリに

「お優しいですね、カガリ様」

微笑みながらシモンズが言うと

「どうせ、そっちも対策をたせるんだろ。
 一緒じゃないか」

そんなやり取りがあり、カガリとシモンズの影の協力も元
キラとが合ったのは深夜だった。




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           第8話

                  なんだかナタルさんとの会話に力を入れすぎました・・・・
                  しかも、今回も無駄に長い・・・・・
                                                        2003 9 30